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スタッフブログ

Staff Blog

自ら考えて行動し、成長し続けることを目指すエンジョブ社員のブログです。
大切なのは日々のちょっとした気づきや学びの積み重ね。
「仲間と、そしてブログを見てくださっている方々と共に成長したい!」そんな思いを込めて社員一人ひとり書いています。

真夜中のジャングルと仕事観

野々宮雅人


こんにちは。博士です。

今回はいつもと趣向を変えて、私の趣味の1つである野生生物の観察・採取のお話をします。

※昆虫やカエルなどの写真が出てくるので、かなり嫌いな方は注意して下さい。




これまでのブログでもちょくちょく話題に出していますが、私は昔から昆虫やら野鳥やら魚やらといった野生の生き物が好きで、

趣味で全国各地や海外へ旅行して、その土地にしかいない生き物を観察したり採取してきました。

大学も生物学系のところへ進学し、大学院へ進んで2年間ひたすら好きなものの研究に没頭してきました。

大学院を出てからも、休みがあれば積極的にフィールドに出るようにしています。

幼いころからこんな調子で、自分の人生の多くの時間を費やしてきたこの趣味に対する姿勢が、

自分の働き方やスキルに影響しているなと、勤め始めてからつくづく思います。





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今回は、11月頭の三連休に沖縄県の西表島に行ってきました。

島には空港がなく隣の石垣島から出航している船で行くしか手段はありません。

亜熱帯気候で島のほとんどが森林に覆われており、まさに秘境のような島です。

とはいえ、近年は中継地の石垣島の空港が新しくなってLCCも就航したことで随分行きやすくなり、

世界自然遺産登録の気運も高まって注目されている場所なので、それなりに観光客も多いです。




私自身はこれで6度目の訪問になりますが、その季節や年によって見せる自然の表情も様々であり、

五体満足な限りは死ぬまで飽きずに通うことになるだろうなと確信しています。

西表島の売りはなんと言っても豊かな自然で、世界でこの島にしかいないような生き物がいくつもいて、

生き物好きには夢のような島の一つです。




今回の狙いの一つは、この晩秋の時期にしか出ないクワガタムシです。

実は2年前にも訪れて探したのですが、これぞというような大きな個体に出会えず悔しい思いをしたので、

三連休で飛行機代も結構高かったのですが思い切って高飛びしました。



ところが、そんな懐事情に大自然は厳しく、3日間の天気予報は雨、雨、曇...。

夜にしか活動しない虫なので、実質チャンスのある2晩は雨ということになります。

今までの経験からしても、西表島の雨というはたいてい土砂降りであることが多く、

雨雲レーダーを見てみても黄色やら赤の暖色系のポリゴンが覆っており、

僕の心もすっかり雨模様になってしまいました...。




実は結構、私のような変わった趣味の人間というのが世の中にはたくさんいまして、

この時期のこの島には似たような趣味の人がこぞって集まっていました。

私もそういう人たちとのつながりを広く持っていますが、

やはり成果を出す人は天候とか条件が悪くてもうだうだ言わずに成果を出す人が多いです。

そのへんは仕事と同じで、「環境が悪い」とか「あいつが悪い」とか周りのせいにする人はなかなか成長しないですが、

素直に自分の行動を顧みれる人は伸びていきます。

私も結構、目的の生き物が見られなかったりすると条件のせいにしがちですが、

自分のやり方が良くなかったのではないか、もっとこうすればよかったのではないかと振り返るように気をつけています。




PB034516.jpg


今回のターゲットの探し方は至ってシンプルで、

夜に森に入って大木を見回るだけです。

必要なのは、ライトとGPSと健康な肉体だけです。

探し方は単純明快ですが、ただ木がたくさん生えているところを探せばいいわけではなく、

付く木と付かない木があるし、そういう木が多いエリアと少ないエリアがあったりするので、

経験、知識、センス、体力が物を言います。

そして結構重要なのが精神力で、月明かりも届かない闇夜のジャングルにひとりぼっちで、

GPSがあるとはいえ、迷いやすいなだらかな地形を彷徨うのは相当怖いです。

携帯の電波も通じないし、ハブや毛虫やハチなど危険な生き物も多く、滑落したら即死しそうな沢を渡ったりすることもあります。

なので単独で入るのは危険ですが、今回は残念ながら一緒に行ける友人の都合がつかなかったので、

無理しない範囲で単独行を敢行しました。




ジャングルに突入した時点ではまだ曇り。

雨雲レーダーも結構外れることが多いので、今回もそのまま雨振らずにいてくれと心の底から祈っていましたが、

その思いは届かず開始30分後には土砂降り...。

それでもチャンスは今日明日しかないので、帰りたい思いに蓋をしてドンドン奥へと進みます。



突入して2時間もすると完全に日が落ちて、夜もすっかり本番に。

雨でカエルやカニの活性が上がって、足元はなかなか賑やかです。

一方、目的の虫はさっぱりいない。基本的に、雨が降っている時は虫は出ない。悲しい。帰りたい。

時々休憩を挟みますが、やはり雨もひどくて精神的にも疲れるので、

一旦1時間近くの道のりを戻って車で仮眠を取ることに。

社会人になってから、仕事中の仮眠の重要性とその効果をより実感することになって、

何気に自分の趣味にもいい感じにフィードバックされています。

車に戻ったのが夜10時半で、ずぶ濡れで寒いし正直もう宿に帰りたかったですが、

次の日もあまり好転する見込みがなかったので、天気は諦めて泥仕合を覚悟して一旦眠りました。



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※ヘビ苦手な方注意


その後も雨脚は収まらなかったのですが、ついに好機が訪れて雨がかなり収まりました。

その時刻は夜の0時半でしたが、時間的にはまだまだ戦えます。

再び、薄く霧で曇った林内に突入です。

雨が上がった後は生き物が出てきやすくなり、

カエルも大喜びだし、それをエサにしているサキシマハブも元気でした。

先にこちらから見つけたらまず噛まれることはないですが、強力な毒も持っているので怖いです。

しかしハブも豊かな自然の象徴の一つです。無闇矢鱈に駆除してはいけません。そのへんの枝で突いて道からどいてもらいました。




林内に突入して約1時間半、少し諦めの気持ちが出てきたところに、

ついに目的の虫が目の前に現れました。




小さいサイズでしたが、ここまでの苦労が報われて一安心。安堵の声が暗闇のジャングルに漏れ出ました。

焦りがあると人は危険に気づきにくくなるし、無茶をしがちです。少しでも安心することは明日の為にも重要でした。

この日はそのまま踵を返して宿に帰り、寝床についたのは夜3時を回ってました。




2年前に訪れた時も、最初の1頭を見つけてからは気持ちに余裕が生まれましたが、

今回は就職してからということで、同じような体験でしたがその当時とはまた違うことを考えていました。

これって、結局日々の仕事でも同じだなと。


特に今は繁忙期で、少し時間が経つだけで仕事が山のように積み重なることがありますが、

そういう時に仕事の進みが遅くなる原因の一つが、片付かない仕事を見て焦ることです。

やるべきことが途方もない量で横たわっていると、どこから手を付けていいのかわからない、

今からやっても間に合う気がしない、色んなネガティブな気持ちが生まれてきます。

そこで仕事を進めるのに大事なのが確実な達成感だと私は思っていて、

とりあえず切り分けて仕事を進めていき、小さい単位で着手と完了を繰り返して達成感を積み上げていくと、

自分の気持ちも充実してきて仕事も進むことが多いです。


いつも旅行に行くときは大体その土地で果たしたい目的が10以上はあるのですが、

最初に難易度の高いものから挑戦して、なかなか厳しそうな時は一旦難易度の低いものに挑戦して達成してから、また挑み直すことが多いです。

でもそういうことも、学生の時とかフリーターの時は考えもしなかったので、

段々と思考が社会人化していると考えると就職してから1年半の成長を感じました。







次の日は11時ごろまでたっぷり寝て、昼間はまた別の目的の虫を探しました。

こっちはこっちで何年越しかのリベンジでしたが、無事にミッションコンプリート。今回は割愛します。

そして、夕方に少し仮眠を取り、18時から森に入っていきました。すでに真っ暗です。

この時点では小雨が降ったり止んだりで、昨日よりは随分マシな天気だったのが幸いです。

昨日とは違うエリアで、多少危険が伴うところですが、事前に入手した情報で大きいサイズのオスが出やすいと聞いていたのでリスク覚悟で決行しました。

途中、橋など無いので脚をずぶ濡れにしながら川を渡渉したり、滑落したら間違いなく死ぬような滝の脇を何度も転びながら登って行きます。

きっとここで死んだらイリオモテヤマネコのエサになるのだろうなぁと思うと、満更でもない感じが少ししますが、

家族にも仕事仲間にも悲しい思いをさせるし、まだまだ思い残すことがあるので慎重に進みます。



暗闇の山を登って1時間、目星を付けていたポイントに到着です。周りには誰もいない。独壇場でした。

今晩で最後なので、少し休憩をして携帯食と水を補給して気合チャージし、

道を外れて森の中へいざ突入!







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ところが、突入して1分で目的の大きいサイズのオスが見つかってしまいました。

なんともあっけない展開ですが、その時の興奮は日常生活の何事にも例え難く、まさに至福の瞬間でした。

手に持っていた懐中電灯を放り投げ、1人で「やばい」と連呼しながらカメラを構えて撮影会をする姿は完全にヤバイ人でしたが、

半径数キロは誰もいないので気にする必要はありません。

この瞬間のためだけに、遥々福井県からやって来た甲斐がありました。




PB044551.JPG


幸先よくスタートだったので後も続くかと思いきやこれっきりでした。

本当はもっと長いしたかったのですが、いつ雨が降るかわからないような天気だったので、21時ごろには下山しました。

その後は比較的安全なエリアに移動して、結局この夜も1時頃まではジャングルで遊んでました。




今回は条件の悪い中、なんとか目的を果たすことが出来ましたが、 それが叶わない場合も往々にしてあります。

また今回はクワガタムシでしたが、西表島にはまだまだ魅力的な生き物がたくさんいるし、世界中にそういう場所が溢れています。

人生を何度繰り返しても足りない趣味を得て、本当に幸せだなぁと思います。

きっとまた、そう遠くない未来にこの島を再訪すると思いますが、

いつまでも豊かな自然が残っていることを切に願っています。





この旅に限らず、普段の趣味を通して自分の得意なところ、不得意なところというのは、

かなり仕事とリンクしているなと改めて思いました。

例えば、こういう旅の後片付けとかも後回しにしがちでしたが、

仕事でも営業に行った後の成果の整理を後回しにすることがよくあります...。

趣味でうまくいかないことは仕事でもうまくいってないことが多いです。




でも今回の旅で学んだのは、仕事を始めてから指導されたり改善してきたことが、

趣味の方にも活きてきているということです。

先程述べた危機管理・体調管理だったり、仕事の進め方だったりが、

昔よりも確実に成長しています。

趣味に限らず日常生活でもそう思うことが多々あり、

仕事の仕方とその人の生き方は互いに影響し合っているなと思います。

仕事で失敗して嫌なことがあったりすると、プライベートと切り離して考えて、仕事は仕事だからと考えがちですが、

実は日常でもやっちゃってないか?と考える癖をつけると、日常生活からも仕事からもいいフィードバックが得られると私は考えています。




まだまだ自分は仕事でも失敗をすることが多いし、

日常生活や趣味でも失敗することが多いです。

だからこそ、その共通する根幹の原因を見つけて対策していくことが、

自分の人生を充実させる生き方だと、私は考えています。



最後に、今回お休み頂いて行かせて下さった社員の皆様、社長には本当に感謝しています。
いつもいつも、本当にありがとうございます!