A社とB社
石田由香
もう3月も終わり、新年度を迎えようとしています。
弊社も、4月に入社される方を迎えるべく、慌ただしくなってきました。
マイペースでいられるのは、暖かくなり過ごしやすくなってきたニャンコ達くらいでしょうか?
今回のテーマは二社で見積もりを取って比べてみた話です。今回私が問い合わせをしたA社とB社の対応の違いで、お客様対応の大切さについて気付いたことについてお話します
私はこの三月末は、4月から稼働する新システムの検証などでバタバタして過ごしています。
今回導入するシステムは、会社の中心部分を動かす基幹システムだけでなく、集客のコア的な存在になっている電話の仕組みまで変わるので、今まで経験のない忙しさを味わっています。
また顧客対応をするみんなも、今までと概念の違うシステム操作も習得しなければいけない上に、電話機ではなくPCで電話対応をするという新体験をしつつ、そのトレーニングに励んでくれています。
さて、そのPCで対応するという電話の仕組み。
知り合いのITに長けている業者様から「簡単に使えるようになる」と言われていたので、正直ナメてました。
いざ契約手続きや内容を決める為に専用サイトに入ると、
英語なのか専用用語なのか分からない言葉だらけで、「アーキテクチャ」だとか「オムニチャンネル」だとか、「頼むから日本語で書いてくれ~」と叫びたくなるくらいの言葉が羅列しており、とても自力でどうにかできる状況にないと感じました。
何とか自分で理解しようと言う気すら起きなく、かといって日本企業で同種のサービスを提供しているところでは導入後のコストが段違いで高く、逃げ場のない状況になってしまいました。
そこで今回のシステムの構築をしてくれている会社の方が、システムの基礎となるツールを提供しているメーカーさんに連絡を取ってくれ、PCで電話を取れる仕組みの設定をし、システムと電話を連動(CTI)させる設定をしてくれるA社さんを紹介してくれました。
まずは見積りを作る為に、当社が必要とする仕様や要件や条件を提示するためのミーティングを開催したのですが、エンジニアの方は積極的で提案力もあり、とても親切でした。
しかし、ENJOBは複雑な仕様が多く、こだわりも大きい。
話していると「いや、それはムリです」とか「そこは対応していない」などの返答をされる部分も多くありました。
そして、いかんせん営業の方の対応の対応には疑問を感じるところが多いのです。
全くウェルカム感がない。自社で契約をして欲しいという意欲を全く感じないのです。
本当に買う気があるの?という言葉を何度も発していました。
笑顔もない。
条件の話ばかりする。
購入する立場としては、なんだかなぁ・・・。
と、どうもしっくりこない感じがしました。
本当にこのまま話を進めていいのか???
ミーティングを終えてから、数日間ずっと悩みました。
どうしても釈然としない部分が残ってしまうのです。
そこで同じ電話のシステムを使って、開発中の基幹システムに連動させる設定に対応できる会社さんを探しました。
正直言ってそう多くはなかったです。
そして、いくつか出てくるどの会社がいいとかもちょっと分かりませんでした。
中にはSKYとかNTTとか富士通という大手の会社さんも出てくるけど、うちの会社規模の企業でそんな大きい会社さんて・・・。と気が引ける部分があります。
そんなに大きいところだと、値段だってヤバいでしょう。
という妄想も働きます。
そこで見つけたB社。
ちょっと変わった社名で、なんでか本社は東京となっているのに、イギリスにも本社がある。
うちの会社より資本金はずっと高いし、規模はダントツにデカイのはわかりました。
しかし、ENJOBから近い大阪にも支社があり、なんでかうちの会社がある福井県内に支部もある。
ちょっと親近感がわきました。
勇気を振り絞ってwebフォームで問合せを送ってみたところ、すぐに連絡が来て話してみたところ、システムのことについてA社の方以上に詳しいのです。
A社で「難しい。調べてみないとできるどうかもわからない。」
と回答されたことでも「できます。やれます」とすんなり回答が来ます。
A社で、「そこは門外漢だから自分でどうにかしてくれ」と言われたことでも
B社の方は、「管轄外ではあるけど、こういうことができますよ。なんだったら過去の事例とかの情報提供をしましょうか?」
と言ってくれました。
A社との打ち合わせで必須要件となる部分について「実現はムリだ」と諦めていた立場としては、B社の方の話は不安をぬぐってくれ、困っていた気持ちを救ってくれました。
B社の最初に対応した方は、本当に感じがよく、システムに精通しているので、てっきりエンジニアの方かと思ったら営業の方というので驚きです。
そしてA社の見積もりを待つ間、B社の方とも打ち合わせをしました。
最初に担当してくれた方とは別の営業の方がついてくれたのですが、その方もとても感じが良いんです。
社長がよく私達に講義で言っています。
「お客様は最初に対応した人が感じが良いと、『その人の感じが良いだけだ』と思います。
しかし、別の対応をした人の感じがいい、その次に対応した人も感じがいい。
そうなると『その会社全体がそうなんだ』とお客様すら思われる」
そのB社はそれを体現したような会社でした。
担当についてくれた営業の方は、こちらの状況を察知して、柔軟に対応してくれ、その時点で「エンジニアの方は予約で埋まってるけど、なんとか受けられるように調整する」と言ってくれました。
そして、A社とB社で出そろった見積りを比べたら実際に200万円ほどの開きがあり、B社の方が高かったのです。
やっぱりそうだよなぁ。
と思いました。
ここまで値段に開きがあれば、A社一択なのですが、どうしてもA社との契約をしたくない自分がいます。
むしろB社のファンになっているので、どうしてもB社と契約したかったのです。
しょうがないから二枚の見積りを持って、社長に直談判しに行きました。
社長も事情を聞いてくれて、B社と契約することができました。
昨年末に出会ったこのB社。
何か月かお付き合いしていますが、私の選択は間違っていなかったと確信しています。
社長が言っていた「その会社全体がそうなんだ」を体現したかのように、PMの方もPMOの方も、エンジニアの方も、みんな人柄がいいんです。
想定と違うことがあっても、エンジニアの方はサラッと対応してくれます。
当初、「第一段階ではできない」とされていた要求も、しなーっとやってくれていました。
無理難題を言っても嫌な顔はせず、何か解決できる方法はできないかを考えてくれ、様々な提案をしてくれます。
今では第一段階の設定は終盤を迎え、第二段階の開発の契約に入ろうとしています。
その要件定義を行っていますが、このエンジニアの方スゴいんです。
文字起こしという機能について、提示されていた金額がそれなりの金額だったのですが、どうしても欲しいけど高いからなんとかならんかなという話題で話していた際に、PMという偉い立場の人が「そんなに値段は変わらない」と言っていたのに、そのエンジニアの方は「半分くらいに値段が下がるかも」と言ってくれたのです。
今まで色んなシステム開発の会社さんと打ち合わせをしてきましたが、そんなエンジニアの方はいませんでした。
顔をしかめたり、もっと金額がかかるとかそういうことはあっても、もっと下がるとかいう人はいなかったし、あらゆるオーダーに対して「やってみます!」と言ってくれる人もいませんでした。
そんなエンジニアの方なので、ごくごくたまに「それはものすごい開発になる」とか「実現できない」と言われると、本当にそうなんだなと思えます。
そんな素敵な会社の方に出会えた自分は運があると感じています。
最後に余談ですが、A社に断りを入れた際「理由を教えて欲しい」と、その営業の方からメールを頂きました。
自分の性格上、「あなたの対応が原因です」と言うこともなく、その人の為に改善部分を教えてあげることをしても自社に特になることもない。かえって反感を買うことになるかもしれません。
そう考えて「上層部の決定で、今回の導入を見合わせることになりました」と無難に返しておきました。
ENJOBも、普段からお客様の対応をしていますが、成約に至らないことはよくあります。
その際に「予定が変更になった」などと無難に回答をもらうことがありますが、本当の理由って言ってもらえないものなのだなと体感することができました。
新しいシステムの運用開始まで約一ヶ月。
ここからが正念場です。
導入して終わりではなく、それをみんなが実際に活用し、業績アップにつなげることが責務です。
まだまだ忙しい日々は続きますが、引き続き頑張ります!