会社の選び方
高橋純
これをご覧になっている皆さんの多くは求職者又は求職経験者でしょう。
そして求職者全員が思うこと!
それが「いい会社に入りたい!!」です。
では、「いい会社」とは、どんな会社でしょうか?
給料が高くて、休みが多くて、仕事が楽しくて、人間関係が良くて、福利厚生が手厚くて、
自分のスキルが活かせて、伸ばせて、将来性が高い・・・
とざっと、このような会社ではないでしょうか。
他にも個人差は多少あるにしても、7割くらいは上記の内容が入ることでしょうし、逆に上記の内容の反対を求める人はいないでしょう。
そうなんです!
皆さん、学生も社会人もこぞって「いい会社」に入りたい!
そう願って就職活動をし、転職活動をします。
しかしながら、果たして皆さんは「いい会社」に就職しているでしょうか?
私は24歳の時に独立して以降、30年以上社長を務めて参りました。
その中で様々な新卒・中途採用の面接をし、他社の新入社員・中途採用の社員の方々と話をしてきましたが、概ね、「うちの会社は素晴らしいです!!」と誇っている人よりも、愚痴や不平不満を言っている人のほうが大半でした。
つまり、全員共通して「いい会社」を目指して求職活動を行いますが、その目的・目標を殆どの人が達成していないというのが現実です。
では、その原因は何でしょうか?
それは、多くの場合、会社を選ぶ際に「条件と職種」だけを見て応募し決めるからです。
退職の一番の理由は今も昔も「人間関係」であるにも関わらず、「条件と職種」しか知らずに入社するならば、仕事が続かないのは当然です。
仮にあなたが独立をして何かしら事業展開をスタートさせる場合、
いえもっと身近に、学生時代に部活をしたことを思い出してみてください。
何の事業・部活を選んだか?という内容よりも、
誰とやったか?ということのほうが
継続出来るかどうかに大きな差がある、と考えたら分かるはずです。
勿論、成功(つまり満足する)確率も「条件」以上に「誰と」が重要なファクターのはずです。
では、人間関係とはどこを見たらいいのでしょうか?
インターンシップ制度で応募すれば分かるのでしょうか?
確かにそれは一理あります。
実際の業務の経験が出来て、会社の雰囲気も感じ取れますし、私もお勧めします。
インターンシップ制度がないならば、せめて会社見学や社員、それも新入社員との面談等を事前にすることも有効です。
そして極めつけが「業績を社員に公表している会社」です。
一般の人は業績を社員に公表するという意味合いすら分からないでしょうから、少し説明を入れますと、業績とはスポーツでいえば現在の得点表です。
今、5対9で負けているのか?、それとも10対1で勝っているのかを示す指標です。
そしてその得点を公表しているということは、
概ね業績が安定している、
業績の向上が見込まれている、
社員を信用している。
この3点が確実に含まれています。
3点中、どれ1つ欠けても業績の公表は不可能だからです。
業績が悪く、今後の見通しが暗ければ、公表することで会社の雰囲気は暗くなり、優秀な社員から退社するでしょう。
また社員を信用してなければ、情報漏洩が恐ろしくて公表など出来ません。
さらに、まともな税務申告をしていること、昇給等社員に還元をしていることも必須になってきます。
何故なら、業績を公表する=儲かっている会社ですから、税金をきちんと納めてなければ脱税で逮捕されますし、社員に還元しないならば不満や怒りを買うだけです。
ちなみに大企業(上場企業)は業績の公表は法律により義務ですので、避けられません。
だから私が言っているのは、義務ではなく自主的に行っている中小企業のことを言っています。
このように「業績を社員に公表している」という事実だけで、多くの情報が記されています。
業績を公表している会社は、業績を伸ばす為に研修、つまり人材育成にも力をいれています。
研修・人材育成に力を入れれば、必然的に人間関係を良くすることにも繋がります。
何故なら、研修・人材育成の目的は最終的には業績の向上ですから、人間関係が悪いよりも良いほうがチーム力が増すことはいうまでもないからです。
まとめますと、間違えない就活とは、「条件」だけではなく、「人間関係」もよくみたほうがいいでしょう。
そして「人間関係」が良いか悪いかを簡単に見抜く方法、1つの目安が「業績を社員に公表」しているか否かです。
業績を公表出来るほどの優良企業の社長が、会社の人間関係を無視して業務だけを優先することは無いと私は断言します。
追伸、上記のように講釈を垂れている私ですが、私が自分の所得まで完全に公表し始めたのが2018年とまだ最近のことです・・・