先輩からの景色
石田由香
内定者が続々と決まり、来年の春にはまた新しい仲間が増えそうで、ワクワクしています。
そんな新しい仲間が毎年入ってくれる中、自分はと言うと...。
とうとう勤続20年になり、自分の先輩と言うと社長だけです。
先輩。
うちの会社に来る前にも、前職で勤めていたので、それぞれに自分より前に入った「先輩」と言う存在がありました。
記憶にすら残っていない先輩。
何をどうしても好きになれなかった先輩。
思い出そうとすると、そういえばいたなレベルの先輩。
そして、一番覚えているのが、今でも感謝の気持ちが残る先輩。
では、一番覚えている先輩と、そうでない先輩。
今となって思い返すと「何が違っただろう」と考えてみました。
嫌いすぎて覚えている先輩は、ひとまず置いておいて。
「今でも感謝している先輩」
心の中で分析してみると
自分を指導し導いてくれた人なのだと思います。
そうは言っても
あまり覚えていない先輩でも、指導してくれた人はいました。
しかし、覚えている人とそうでない人との違いは「愛情」があったかどうかではないかと思います。
記憶の残らない先輩は、やり方を教えてくれるだけでした。
しかし、覚えている先輩は教えるだけでなく、考え方を伝えてくれたり、できるようになるまでとことん付き添ってくれたり、様子を見て励ましたり、ちゃんとできれば褒めたりしてくれていました。
だから印象に残っているのだと思います。
今の自分をここまでにしてくれたのは、勤続20年ということもあり、
「20年かけて指導してくれた我が社の社長が、私をここまでにしてくれた」
と言ってもいいと思います。
でも、この会社に来た時の私の状態にまで育ててくれたのは、間違いなく前職の先輩でした。
仕事の仕方だけでなく、いけないこともそっと教えてくれました。
さて、自分の話をさせて頂くと 社長の他はみんなが私から後に入ってきた人達です。
つまり全員の入社式から今までのことを見てきました。
一番最後に入ってくれた中谷さんから見たら、みんなが立派な先輩です。
私の後輩はみんなできる人達なので、中谷さんの目に写る先輩達はみんなが仕事のできるカッコイイ先輩なのではないかなと思います。
私の次に古い柳君も、みんなの目には「頼れるカッコいい先輩」として映っていることでしょう。
しかし、やはり入社当時の柳君はハタチそこそこだったので、欠けている部分だってたくさんあったし、ツッコミどころだってたくさんありました。
でも、今の柳君はどこに出しても恥ずかしくない会社を引っ張る人です。
彼の入社当時に、今の柳君にまで育つとは思っていなかったので驚きです。
きっと、柳君自身もブログで書いているように、努力してきたからこそ今の柳君があるのだと思います。
斉藤さんも然り。
未成年の、高校を出たてで入ってくれて、とてもあどけなかった斉藤さん。お酒も飲めませんでした。
幼さも残っていて、まだまだお子様なところもあったけど、今では立派な酒豪です。
お酒は置いといても、会社を代表する「顔的」な存在になりました。
スピーチをさせたらかなりなレベルです。
多田さんも、入ってきた最初の冬に調子を崩して、食生活などをかなり心配もしたし、対人面で心配なところもあったけど、今ではうまくやり取りするようになってしまいました。
今、基幹システムの改修をやっているけども、多田さんと一緒だから改修に必要なたくさんの時間をスムーズに過ごせたのだと思います。
そして、この斉藤さんと多田さんは入社してしばらくは、表計算ソフトと言われるxcelやスプレッドシートを全くと言っていいほど扱えませんでした。
しかし、今では会社でかなり使いこなしている人物になっています。
多田さんなんか、ものすごいスピードで表計算を作成してしまいます。
大久保さんも、涙もろいところがあって、危なげに感じることがありました。
後回しにしがちなところがあったけど、今では誰よりも自己管理ができて、テキパキと仕事をこなしていく姿は女の私が見てもカッコいいです。
涙もろいところもなくなってしまって、毎日溌溂としています。
もしも私が新入社員として入ってきたら、きっと憧れちゃってると思います。
博士も、指導すると言い返して口論に近いことも出たりしたけど、今ではそんなこともなく。
修行中のネットワーク周りの管理も頑張ってやってくれています。
布目さんは、入社当時からうちの息子の「憧れのお兄ちゃん」ですが、日報を溜めちゃったりとかありました。
でも、今では溜めることはなくなりました。
メンタル面が安定していて、手のかからない後輩ですが、それでも入社してからの成長を感じさせてくれます。
入社当時と今の状態の差が出ているのは全員です。
みんな、入社当時には欠けている状態の部分があって、その部分が問題となって現れることも何度もありました。
しかし、中谷さんの目にみんながカッコよく映っているのは、それぞれが目の前の壁から逃げずに、自分の問題に正面から向き合って乗り越えてきたからです。
中谷さんが入社当時の今の先輩達を目にしたら、今とのギャップが凄くて驚くのではないかと思います。
そして、たくさんの後輩を持つ自分から言いたいです。
やっぱり、後輩の成長は嬉しい。
後輩が成長していく姿を見られるのって幸せです。
誰かの先輩の立場にいる人は、みんな同じではないかと思います。
斉藤さんが壁に当たった姿は何度も見てきました。
大久保さんが泣いている姿も見てきました。
たくさんの後輩が、うまくできなくて壁に当たり、失敗し、つらそうにしている姿はそれぞれの後輩ごとに覚えています。
その度に心配もしたし、応援もしてきました。
中には、応援をもらえずに去って行った後輩もいました。
その去って行った後輩に共通しているのは、壁にぶつかる度に、環境や人のせいにして、自分では何も変えようとしてこなかったということです。
うまくいかない時って壁にぶつかっている時ですが、なかなか自分と正面から向き合うことってできないです。
自分の欠けているところを探したり、見つけたり認めなければならないから、それってかなり辛いことです。
今のメンバーが、今こうして成長を続けながら一緒に働けているのは、そんなつらいことから逃げずに乗り越えてきたからです。
「乗り越えた」と簡単に書いていますが、みんな一度では乗り越えてきていません。
つらくても自分と向き合い、挑戦し、できなくても何度も何度も何度も、決して諦めないで挑戦してきたから、今のみんなが成長した姿を見せてくれているのです。
だからこそ後輩の応援をしたいし、その成長を見られるのって幸せです。
ちょっと子育てに似てますね。
今いるみんながこれからも成長してどんな姿になっていくのか。
特に、入社若い中谷さんや布目さんが楽しみです。
そして、これから入る新入社員さん達にカッコイイ姿を見せ続けてあげて欲しいです。
私も応援頑張ります。
若いみんなに負けないように、ちょっとでも、何か一つでも成長したと言えるものを作りたいです。