研修を受けるレベルでの体験
石田由香
ゴールデンウィークも終わり、
ほのぼのとした陽気が続いています。
以前作成したのブログ
「無駄なこと」
でほんの少しだけ触れた、
補助金の申請について書かせてもらいます。
コロナウイルスの影響を受け
宿泊業、飲食業、旅客機、旅行業、イベント業など
様々な業種が打撃を受けています。
そんな事業を救おうと
国が第三次補正予算で
「中小企業事業再構築促進事業」
という支援を打ち出しました。
世の中の中小企業が沸き立っております。
それはなぜなのか?
国が割り当てた予算がハンパないのです。
その額
1兆1485億円!!
中小企業庁が管轄する補助金なのですが
通常の中小企業庁の予算は
1,000億円程度です。
その10倍が予算として組み込まれたのだから
その規模がいかに大きいかが分かると思います。
めちゃくちゃ人気の補助金です。
その人気の秘密は、1社に対する補助金の支給額が
今までの補助金のレベルを超えているからです。
「ものづくり補助金」という
同じく中小企業庁が取り扱っている補助金があるのですが
その金額は、1社に対して最大1,000万円というレベルです。
しかし、事業再構築補助金は
最大6,000万円という規模です。
この不況の中、どこの企業も欲しい補助金です。
狙ってる会社は多いです。
お世話になっている
中小企業診断士の先生に聞いてみたところ
入ってくる相談のほとんどが
事業再構築補助金の案件だそうです。
銀行さん経由で200件以上
相談が入ってきている
という情報が入ってきています。
そんな金額の大きい補助金です。
もちろん「タダで」もらえるものではないです。
「要項」と言われる分厚い規定が書かれているものに則って
条件が合った事業だけがエントリー資格をもらえます。
エントリー資格を持ったら
次は申請をしないといけません。
その申請に必要な書類のメインが
「事業計画書」です。
昨年、「第4次 ものづくり補助金」に挑戦しかけました。
その時に初めて「事業計画書」というものを作成してみました。
わけもわからず、必死になって作ったのですが
この事業計画書というものは
この補助金限定の独特の
書類形式だと思っていました。
暗中模索しながら計画書はほとんど作れていたのですが
提出直前に社長の経営的判断によって
やろうとしていた事業が見送りとなり
その補助金申請も中止となりました。
しかし、諦めたわけではなく
リトライする余地があったため
福井県に行う予定だった
「経営革新計画」を提出することになりました。
これは出すと、
条件のいい融資を受けられたり
税制を一部優遇してもらったりと
財政的にいい面があるのですね。
その際にも「事業計画書」というものが必須でした。
さて、その事業計画書。
最近知ったのですが
経営する上で結構マストなアイテムらしいのです。
銀行さんに提出したりするものだったりと
メジャーにものなんですね。
内容はどんなものかというと
計画している事業内容や
会社の財政の分析
市場の傾向
やろうとしている事業のマーケットの規模
それらを文章だけでなく
図やグラフを用いて表現していくのです。
メジャーなものだけに
政府ではe-Statというサイトで、
あらゆる統計データを公開しています。
それらを用いて事業計画書を作成していくのです。
その事業計画書の存在を知らなかったのですが
普段どんな人達が「事業計画書」を作るのか?
それは、大企業は別として
中小企業では経営者の人達が主なのですね。
その経営者の人達は、
何十万円という研修費を支払って
事業計画書を書くセミナーやワークショップや研修に参加しています。
うちの会社の社長も、その一人です。
社長だったら、事業計画書を書くコツを
参加した研修で学んできているはずだ!
そう思って聞いてみました。
その回答をそのまま載せます。
"適当に『えい、やー』で書けというのが
コツだ。と教わった。"
です。
どうですか?
その回答コメントが来た時は、
頭の中で「ズコーッ」という音が聞こえました。
「経営者」という雲の上の存在のような人達が
お金を払って学ぶ極意が、そんな感じなのです。
冒頭で書いた事業再構築補助金は
4/30で応募を締め切りました。
うちの会社も計画している事業があったので
エントリーをしようと
事業計画書を作成しました。
しかし、これも直前で
社長の経営的判断で提出を取りやめました。
そして、提出は取りやめましたが
第6次 ものづくり補助金のエントリーをすることになっています。
5/13が締切で、このブログが公開されている頃には
提出を終えて、
私はホッと一息をついていることでしょう。
世の中の社長さんが作成している事業計画書。
この一年で、私は結局
・第4次ものづくり補助金
・経営革新計画
・事業再構築補助金
・第6次ものづくり補助金
計4回も作成しています。
そのおかげで業務を通して、
世の中の社長さんの目線で
物事を考える体験をさせてもらえています。
今までは社長が高額の設備投資をしようとすると
「無駄だ」「節約した方がいい」と
反対意見を出していました。
しかしそれは
経営者の人が見る景色(儲かる仕組み)を
知らなかっただけのことで、
自分の立ってるステージが低かったからだ。
と分かりました。
このブログを読んでいる人に知って欲しいのですが
ほとんどの経営者は業績を上がることを考えています。
高額の設備投資をしようとしているのは
「あったら便利だから」
「人気が出そうだから」
そんなフワッとした理由で
導入をしようとしているわけではないです。
ちゃんと、投資する額以上の
「費用対効果が見込める」
と計算が成り立っているから
行おうとしているのです。
特に大きな学びになったのは
小さいことでも、会社全体を通してやったら、
会社にとって業績に大きくつながる
ということです。
20代や30代前半の若い頃は、
自分が成果を出して、
自分が利益を人より出して認められることに
価値を感じていました。
しかし
一人が目立って成果を出すことと
全体を巻き込んで成果を上げることでは
会社の利益の規模が違います。
今回の4回の事業計画書の作成を通して
経営者目線に少しだけ近づけた気がします。
どこの会社の社長さんも
1年で4回も事業計画書を作るなんて
機会はそうないです。
業務時間に作成させてもらえて
それだけ成長させてもらえました。
そして作成することで
色んなことに気づかせてもらえています。
それもこの会社にいるから気づけたことでした。
普通にどっかの工務店とか、
保険屋さんとかで
まじめにコツコツと事務をやっていたら
そんな学びは得られなかったです。
うちの会社は、
そういう刺激がもらえるところがいいです。
作成はめちゃくちゃ大変だったけど
やらせてもらえて良かったです。
やっとこれで
事業計画書の作成から解放されました。
はぁ~
スッキリした!!
そんな気分になれるかと思いきや
今度は、その事業を行うにあたって
融資を申し込むことになりそうです。
先述で書いた
県の経営革新計画を出すと
条件のいい融資を受けられます。
実は、その続きがあったのです。
今月に入ってから
銀行さんに教わったのですが
なんとまた県の条件のいい融資を取り扱う窓口に
「事業計画書」を出さないといけない雲行きになってきました・・・。
はい、
これで5回目になります。
またアレを作るのかぁ~
と憂鬱な気分になりかけましたが
このブログを書いているうちに
「自分を成長させてもらえる!」
という前向きな気持ちになってきました。
頑張って
5回目の計画書を作成していきます!
そして、いつか社内の誰かに
この事業計画の作成を引き継いでいきたいです。
誰が引き継いでくれるかなぁ???
楽しみです♪